処方された薬が大きくて飲み込みづらいというご利用者の方は少なくないかと思います。
それでもなんとかして薬は飲まないといけないと。。。

叩いた時に薬が袋から飛び出ていってしまうこともありました。


どうしてダメなんでしょう。

介護士
山岸 大輔氏
内服介助の支援を行う際に、ご利用者様や家族が、飲みにくいからと錠剤をつぶして散剤としたり、大きいからと半分に割ったり、カプセルの中身を開けて服用している場面に遭遇することがあるかと思います。
その際、どのように普段お声掛けをされていますでしょうか。
いけないなと思っていてもご利用者様から大丈夫と言われるとその手助けをしたり、つぶしていてもそのまま見過ごすこともあるのではないでしょうか。
ご利用者様が本来服用すべき手段で服用されていなかったり、飲みにくそうにされている薬があればぜひ薬剤師へ相談をしましょう。
その結果、同じ効能の飲みやすい薬に変わることもあります。
生活支援のひとつとして介護士がご利用者様の服薬状況を確認してその問題点に気づき、薬剤師と連携をとることはより良い療養支援に繋がります

薬剤師
玉井 典子氏
嚥下が困難であったり、服薬拒否から錠剤やカプセルのままでは口から出してしまう利用者様に、粉状にして飲んでもらうことは介護の現場では多いかもしれません。
薬には様々な剤形がありますが、その目的は薬を安定した状態に保ち、より簡単に使用でき、体内で十分に効果を発揮するためです。
それらの薬を、不用意に粉砕したり、脱カプセル(カプセルから出してしまう)してしまうと、匂いや味が強くなったり、効果が弱くなったり、反対に強くなりすぎたりというような事態を招くことがあります。
場合によっては、同じ成分でも粉のものや、最近多くなった口に入れると素早く溶けるOD錠(口腔内崩壊錠)などに剤形を変更できることもあります。
粉砕や脱カプセルを考えたときは、薬剤師に粉砕が可能かどうか、または飲みやすい剤型に変えられないかなど、一度聞いてみましょう。
■錠剤・カプセルの工夫いろいろ■
・匂いや味をマスキングするためや、湿気や光から守るためにコーティング。
・効果が長時間持続するように加工。
・有効成分が胃酸により損なわれるのを防ぐために、胃で溶け出さずに小腸で溶ける工夫。
監修:株式会社 友愛メディカル 常務取締役
薬剤師 玉井 典子
生活介護サービス株式会社 代表取締役
介護士 山岸 大輔