くすりの適正使用協議会では2000年から、薬剤疫学に利用できるデータベース構築を目指し、再審査申請のために実施した使用成績調査のデータ提供を会員企業に依頼し、降圧薬については143,509症例、経口抗菌剤については91,797症例データベースを構築しました。このうち、降圧薬データベースを用い、ACE阻害剤による咳嗽の発生要因を検討しました。
 概要を紹介すると、ACE阻害剤で治療開始した本態性高血圧患者26,361例を解析対象としたレトロスペクティブ・ケース・コントロール研究を行いました。ACE阻害剤の投与開始12週後までに咳嗽が発現した947例をケースとし、コントロールは同一薬剤の服用患者の中から時点マッチングで、ケース1例に対し3例をランダムに2,841例を選びました。条件付き多重ロジスティックモデルを用いた多変量解析の結果、女性、ACE阻害剤開始前の降圧剤治療 (β遮断剤、α遮断剤、Ca拮抗剤)、脂質代謝異常、呼吸器系の疾患の合併、肥満が咳嗽発生に関連する要因としてあげる事ができました。
 使用成績調査データベースが、比較的高い頻度で発現する有害事象の要因解析に有用である結果を今回得る事ができました。今後も引き続き薬の適正使用を推進するために使用成績調査データベースを活用して行きたいです。
「降圧薬の使用成績調査データベースの構築とその活用例」(藤田利治,真山武志.日本統計学会誌,36巻,205-217)。
 二つの薬効群を合わせ、既に23.5万症例の使用成績調査データベースが構築されております。これを利用した薬剤疫学研究をお考えの方は、当協議会に是非ご相談下さい。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事