欧米諸国では市販後医薬品に関する多様な大規模データベースが構築されており、科学的根拠に基づいた医薬品の有効性・安全性に関する定量的・相対的な評価に貢献しています。残念ながら我が国にはこの種のデータベースは存在せず、薬剤疫学に基づいた市販後医薬品の評価が難しいのが現状です。そこで、この事態を改善する第一歩として、くすりの適正使用協議会では統計数理研究所と共同で、我が国独自の再審査制度の下で実施された使用成績調査のデータを活用し、市販後医薬品のデータベースの構築を進めています。
 既に会員企業17社から降圧剤21製品の使用成績調査のデータを提供してもらい、143,509症例の高血圧患者のデータベースを構築しました。このデータベース構築については既に「降圧剤の使用成績調査のデータベース構築研究」(H15.7)、「降圧剤の使用成績調査データベースの拡張」(H19.2)などで報告しております。
 今回新たに、会員企業7社より提供された経口抗菌剤7製品の使用成績調査のデータから、91,797症例のデータベースを構築しました。構築した経口抗菌剤データベースの内訳は下表のとおりです。
表 経口抗菌剤データベースの内訳
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 尚、この経口抗菌剤の使用成績調査データベースを用い、副作用に関して集計解析を行ったところ(1)セフェム系抗菌剤では、年齢が14歳以下特に5歳以下の患者、アレルギー既往歴のある患者、併用薬の服用の患者で下痢の発現が多くみられました。(2)ニューキノロン系抗菌剤では、男性患者、小児及び55歳以上の患者で光過敏症の発現が多くみられました。今後、薬剤疫学に基づいた定量的・相対的な市販後医薬品の評価を更に行い、医薬品の適正使用に役立てていきます。

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