理事長挨拶

医薬品リテラシーの
育成と活用をめざして

 私たちの生活は「健康」であることに支えられています。しかし、常に健康であり続けることはできず、ときには病気や入院という事態も起こります。医薬品は、人々ができるだけ健康であり続けられるように、また、もし病気になった場合は1日も早く家族との生活に戻り、職場や学校に復帰できるよう働いてくれます。医薬品のない世界は最早考えられないと言っても良いと思います。

 しかし、医薬品は素晴らしい働きがある反面、かえって健康を妨げるよう働いてしまう場合もあります。このため医師や薬剤師などの専門家だけでなく、医薬品を使用する患者さん自身にも、一つひとつの医薬品の性質や使用法などを理解し、適正な使用の実践が求められています。高齢化社会の進展や生活習慣病などの現状から、医薬品は日常どこでも見かける消費財となりましたが、それだけに医薬品についての正しい知識と適正使用の実践はその重要性を増し、待ったなしの課題になっていると認識します。

 私たちくすりの適正使用協議会は、これら社会が直面する課題を克服するには、医薬品リテラシーの育成と活用が欠かせないと考えます。今後、私たちを取り巻く医療事情や財政環境がその厳しさを増す中で、健康寿命を延伸し、医療水準を維持向上するために、社会全体としてこの課題、すなわち「医薬品リテラシーの育成と活用」に努力し、国民のさらなる参加を求めていかなければなりません。

 当協議会は2015年、組織形態を法律の裏付けのある「一般社団法人」とし、一層透明性の高い運営と活動基盤の整備を図り、問題解決に取り組んでおります。設立当初より検討、実施して参りました薬剤疫学やデータベースの活用、さらには“くすりのしおり®”を用いた医薬品情報の提供、公教育におけるくすり教育の啓発浸透等の活動に加え、そこで培った経験とノウハウをさらに発展させ、さまざまな形で社会に還元するよう役職員一丸となって努力する所存です。皆様のご理解とご協力をお願い申しあげます。

※医薬品リテラシーとは:医薬品の本質を理解し、医薬品を正しく活用する能力

一般社団法人 くすりの適正使用協議会 理事長 黒川 達夫