くすりの適正使用協議会のあゆみ

 1989年5月に設立したくすりの適正使用協議会(旧・日本RAD- AR協議会)は、医薬品の本質の理解促進と医薬品の正しい使い方の啓発活動を展開し、製薬・医療関係者への薬剤疫学(科学的検証法)の定着、医薬品の適正使用情報提供(くすりのしおり®)の促進などの実績を積み上げてきました。

設立の経緯と協議会のこれまで

年表

設立の経緯と協議会のこれまで

副作用問題への反省から生まれたRAD-AR活動

 くすりの適正使用協議会(旧称:日本RAD-AR協議会)は、1989年5月29日に誕生しました。協議会の設立の背景には、副作用問題への反省がありました。
  1970年~80年代にかけて副作用被害が多く起こり、世界中で製薬企業の販売姿勢に対する批判が相次ぎました。その批判とは、製薬企業は医薬品のリスクを矮小化しベネフィットを強く主張しているというものでした。これを受けて、1988年にスイスに世界の代表的な製薬企業約30社が集合して検討し、自戒を込めて至った結論が次のようなものでした。
 ① 従来、製薬企業は必ずしも真剣に副作用問題に取り組んでいたとは言い難いという反省を認める。
 ②これからは最新の科学で、医薬品が持つベネフィットとリスクを検証し続け、積極的に医療の場はもちろん、社会にも発表する努力をする。
 そして、この活動を、RAD-AR(Risk / benefit Assessment of Drugs, -Analysis & Response【医薬品に本来備わっているリスクとベネフィットを科学的、客観的に評価・検証し、その結果を社会に提示することで医薬品の適正使用を促し、患者さんのメリットに寄与すること】)と呼ぶこととしました。

既設の団体が行うのではなく、全く新しい団体としてスタート

 日本のRAD-AR活動はこれに沿う形で、製薬企業1社で開始しました。しかし、当時の厚生省が「RAD-AR活動は望ましい活動ではあるが、1社が独自にやるものではなく、志を同じくする企業が犠牲を払い合い、自主的に推進すべき」と示唆し、日本製薬工業協会(以下、製薬協)が検討した結果、製薬協とは別組織として1989年5月に設立されたのが、日本RAD-AR協議会です。
 当時の会員社は開発志向型製薬企業11社。基本活動方針として、医薬品のリスクとベネフィットを科学的に検証するための薬剤疫学の導入と進展、患者さんに提供すべき医薬品情報の内容と提供方法の模索、の2つを掲げ活動を開始しました。
 2000年には設立10年を迎え、医薬品を取り巻く環境の変化に応じて活動内容を見直し、活動の軸足を医療関係者から患者さんに移行しました。これまで医療関係者に閲覧を限定していた「くすりのしおり®」を公開し、さらに児童・生徒へのくすり教育を開始、団体名称を「くすりの適正使用協議会」に改めたのもこの時期です。

くすりの適正使用を進める60名以上の委員~現在の活動と活動体制~

 2012年には初めて中期計画12-16を策定、キーコンセプトを「医薬品リテラシーの育成と活用」と定め、黒川理事長を迎えて新たな中期計画に基づいた組織体制に変更しました。
 現在、6つの委員会が設置され、会員の製薬企業社員から選ばれた60名以上の委員が活動しています
 また個人会員がオブザーバーとして活動に参加したり、外部アカデミアがアドバイザーとして委員会を支援するなど、製薬企業の視点を越え「くすりの適正使用」を見据えた活動内容を常に目指しています。
 なお、協議会の活動を支える会員として2014年からはジェネリック医薬品メーカーも加盟し、新たな協議会を目指してさらに輪を広げつつあります。

       

年表

1989.
5.29


参加企業11社による設立総会が開催され、初代会長には内藤 祐次氏(エーザイ)、運営委員長には武市 匡豊氏(エーザイ)を選出

1990

「RAD-ARNews」の発行

1991

「RAD-ARカード」の発行

1992

 

薬剤疫学セミナー(基礎講座)を開始

1997

 

薬剤疫学セミナー(会員企業インテンシブ・コース)を開始

1997.4

「くすりのしおり®」ホームページに掲載開始

1997.10

会員企業32社による総会が開催され、第2代会長に千畑 一郎氏(田辺製薬/現:田辺三菱製薬)、理事長に海老原 格氏(元厚生省薬務局)を選出

2000.1

 

RAD-AR活動のあり方に関する検討会による提言出る(田中座長)

2001.4

協議会の第3代会長に渡守武 健氏(大日本製薬/現:大日本住友製薬)を選出

2003.3

 

協議会の名称を「くすりの適正使用協議会」と改める規約を一部改正、協議会の名称を変更、個人会員制度を新設

2003.9

「簡潔!くすりの副作用用語事典~英語対訳付き~」発刊

2004.2

くすりの絵文字「ピクトグラム」28種類を開発、一般に公開

2005.4

協議会の第4代会長に大橋 勇郎氏(ノバルティス ファーマ)を選出

2007.4

 

医薬品医療機器総合機構ホームページと「くすりのしおり®」がリンク

2008.10

「実例で学ぶ薬剤疫学の第一歩」発刊

2008.11

「くすり教育アドバイザー制度」を立ち上げ、出前研修を開始

2009.10

 

設立20周年記念キャンペーンを実施〈くすりアゴラ、豆本、くすり川柳〉

2011.2

あり方検討会からの提言まとまる(山崎座長)

2012.4

組織改革に伴い、規約を改正-理事長に黒川 達夫氏(慶応義塾大学/薬学部教授)

2012.6

「くすり教育のヒント~中学校学習指導要領をふまえて~」発刊

2012.11

高校用「医薬品教育DVD」を日本製薬工業協会、日本OTC医薬品協会と協議会の3団体で制作し配布

2013

患者さんと医療者のよりよいコミュニケーションのための動画『一緒に話してみませんか?あなたと薬のこと』Part1、Part2公開

2014.5

協議会設立25周年記念シンポジウムを開催

2015.5

CIOMS WG IX 翻訳版を発刊

2015.9

 

9月3日に一般社団法人 くすりの適正使用協議会に移行

基本戦略と中期活動計画

事業計画

公告

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小冊子「くすりの適正使用協議会とは」